究極のカスタマーサポートを実現する方法

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カスタマーサポートとAI(≒機械学習)の現状

私はAI(≒機械学習)のエンジニアでもあるので その視点から、カスタマーサポートがどの程度 テクノロジーによって自動化できるのか、また、今後されうるのかについて触れたい。

現状のAI、特に自然言語処理技術≒言語の理解能力に限っていうと もっぱらビジネスで使えるほどに成熟している分野は 「それっぽい回答を返す」「似た言葉やフレーズの文章を探す」となる。

「文章を理解して想像して返答する」ことはまだほぼできない状況にある。

技術的な詳細はほっておいて代表的な事例は以下のようなものになる。 https://zuuonline.com/archives/181448

三井住友銀行がコールセンター業務において オペレーターに回答候補を提示するという内容になっている。

カスタマーサポート業務に携わる皆様ならお分かりかと思うが オペレーターや担当者の専門知識などのトレーニングは 一朝一夕にはできないし、離職率が高い現場なら すぐやめてもすぐ補充、というわけにいかない事情はここにある。 また、オペレーター自身も分からないことばかりを確度もなく答えるのは ストレスを感じるだろう。

こういったオペレーターの業務負荷軽減、トレーニング短縮などを叶えるのが 上記の事例である。

そう、カスタマーサポートにおいてAIは完全自動化ではなく「部分的補助」の時代である。

・今後10年以内には、人間を補助するツールが登場するはず

海外の最先端の学会など最新の動向をチェックしても 根本的に「文章を理解して想像して返答する」技術の登場の兆しはあまりない。 (厳密にいうとある、あるけど気づいてる人が少なすぎて波にはならないと思っている)

つまるところ、今ある技術やその延長でできるツールが今後5年・10年以内には登場することになる。
例えば
「オンラインマニュアルの自動作成」→人間の最終チェックや編集
「カスタマーサポート人員配置の最適化・問い合わせ予測」
潜在的なカスタマー需要のWEB情報(SNSなど)からの把握」(例えば問い合わせ前での離脱対策などへ)

ここらへんが現状の技術でできる範囲であるだろう。 ただ、技術革新というのは最近のAIブームもそうであるように ひとつの技術が火をつけてまったく非連続的な変化を生み出すこともある。 そういった変化で一気に自動化、となっても大丈夫なように いつか必ず起きるであろう変化に 技術動向には目を配りながら、何をやるか、やらないか、について取捨選択すべきだろう。